アレグリアスは喜びなのか

(01)諸々

アレグリスは「喜び」を象徴する曲だと言われていますが、フラメンコの喜びはただの喜びではないようです。

サンタ・マリア地域はなんて美しいんだ
こんな美しい地域なのに
爆弾が投下されたんだ

タバコに火を点け
風車を見ている
タバコの火を消したら
道に迷った


アレグリアスの代表的な歌詞です。
明るくないし、喜びというより、どこか哀しい。

人生には苦しいこと、悲しいことが沢山ある。
でも、私たちは生きていれば、とても美しい光景を目にすることがある。
喜びもある。


以前、庸子先生から聞いた話ですが、
第二次世界大戦終盤、庸子先生は東京大空襲に遭遇しました。
それで、皆で急いで柳橋近くの大きなビルに避難した。

空襲が終わり、翌朝ビルの外に出たら、富士山が見えたそうです。
焼野原になった東京には、富士山までの間に遮る物がなくなり、富士山が良く見えた。

悲しみ、苦しみ、困難の中にも、喜びはある。

フラメンコの喜びは、ただ楽しいという喜びではなく、苦しみの中に垣間見る喜びだと聞いたことがあります。
その話を聞いた時、フラメンコのアレグリアスの奥の深いところだと思いました。

悲しみ、苦しみを経験し、それらを胸に抱きながら、顔を上げ、胸を張り、明るく微笑みながらアレグリアスを踊れたらいいですね。

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