森山みえ フラメンコBLOG

3月の予定です。

3月の私のクラスは、受講料3回分のみとなります。

 

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来月も、中川さんの日にはソロで踊る練習をしましょう。

一人で踊るに当たっての第一関門は、エスコビージャじゃないかと思います。

一人で踊ってみないと、サパテアードの音が出ているのかどうなのか、流れを作れているのかどうなのか分からないので、その箇所を練習しましょう。

できても、できなくても、挑戦してみましょう。

そうこうしたら、慣れてきます。

エスコビージャさえ乗り越えたら、後は一人で踊れます。

一人で人前で踊ることにも慣れてきます。

 

 

火曜昼クラス:2月と同じく、エスコビージャ

火曜夜クラス:タンゴのハケ前のエスコビージャ(D.Ortegaのパソ)

水曜夜クラス:エスコビージャ前半

土曜クラス:エスコビージャ前半

日曜クラス:エスコビージャ前半

 

 

4月の予定(仮)です。4月22日はレッスンを行いますが、その後、私はアルハムブラに出演します。お時間が許すようでしたら、是非見にいらして下さい。

 

今日、ロシオの個人レッスンを取りたかったのですが、

「今週は、スーペル・オクパーダ(超忙しい)」

って言われて、レッスンを取れませんでした。残念。

でも、結果的には良かった。

振りを早く進めてもらったので、自主練が足りていませんでした。

今日は、レッスンを取れなかった分、自分なりに踊り込みをしてみました。

新しく習ったパソには、自分で考えながら、じっくり取り組む時間って必要です。

 

レッスンを受けるとつくづく思う。

習うのは楽しい。

レッスンを受けていれば、充実感がある。

難しいパソになんか挑戦しちゃったりすると、取り組む面白さもある。

けれども、習った振りを舞台に上げようとなると、そう簡単ではない。

ましてや、一人で踊り、人前で披露しようと思ったら、相当の練習が必要になる。

 

 

今日は、習った振りをとりあえず全部通して踊り、ビデオに撮ってみました。

それで、自分で自分の踊りをチェック。

ゆっくりの曲は、本当に難しい。

何もしない、動かない、歩くだけってのは本当に難しいのだけど、ふと思った。

歌振りというのは、踊り手の上手さを見せるものでも、踊りを見せるものでもなく、本来は歌を聞かせる為の踊りを踊る。

シンプルな振りってのは、踊り手としては形になりにくいし、間が持たないし、故に難しいけれども、踊り手が余計なことをしない分、お客さんがカンテを味わうことができるのではなかろうか。

踊り手は派手なことをやりたがる。

カッコいいから。

身体を動かすと面白いし。

けれども、カンテを聞かせるという観点で考えると、邪魔することになる。

 

あまりにもシンプルで、あまりにも間が持ってないのですが、もしかしたら、そういう意図があっての振りのなのかもしれないって思いました。

特に、ロシオはへレスの人なので、セビージャやマドリの人のような派手な感じはない。

けど、それがいいなって思った。

その分、エスコビはちょっと難しいのが入ってきてる。

けど、それは練習すればいいからね。

足の難しさと、シンプルな歌振りの難しさだったら、歌振りの方が難しいね。

 

 

カンテのCDでソレアを重点的に聞くことにします。

急がば回れ。

 

水曜18:45~19:45のクラスの開講が決定しました。

4月12日から始まります。

現在、このクラスに入る予定の生徒さんは2名。

 

まだフラメンコ歴の浅い生徒さんたち対象のクラスなので、基礎を重点的に行っていきます。

 

クラスの中では、セビジャーナスの復習、ブレリアの振付を行います。

とは言っても、振付を踊ることよりも、テクニカ的要素が強くなります。

 

セビジャーナスは、姿勢の矯正、自分の軸を見つけること、ブエルタの練習、身体の引き上げ、ブラッソの使い方など、フラメンコの基礎が詰まっています。

生徒さんたちは、セビジャーナスを復習することで、身体使いの基礎を固めていけるようになります。

また、パリージョ(カスタネット)もおいおい付けていきますので、リズム感も養われていきます。

 

但し、セビジャーナスだけだと、どうしてもフラメンコに触れるというのが足りなくなります。

それを補う為にも、ブレリアの短い振付を致します。

ブレリアの振付は、一つ一つのパソに時間を費やします。

フラメンコの音の取り方は独特です。

12、1、2、3と数えて振付は覚えられますが、そのままで踊るとフラメンコになりません。

数を数えて覚えた振付を、どうフラメンコらしく落とし込んでいくか。

生徒さんたちは、そのアプローチ方法を学べんでいき、フラメンコらしい自分の踊りを見つけていきます。

 

尚、セビジャーナス、ブレリアだけだと、サパテアードの要素が少なくなります。

その為、サパテアードに関しては、テクニカとして振付とは別に行います。

基本のパソを毎週繰り返し、一つ一つの音がクリアに確実に鳴るように、ゆっくり丁寧に行うことを大事にしていきます。

これにより、速いパソを誤魔化しながら、曖昧な音で打つことがなくなります。

基本のパソができるようになったら、振付でどんなパソを習おうと、すぐにできるようになります。

逆に、基礎ができていないで、いくつ振付を習っても、上手には踊れません。

基礎サパテアードを徹底的に行うので、もしかしたら、振付を踊りながらサパテアードを練習するよりもハードになるかもしれません。

 

と、まあ、盛り沢山なのですが、1時間のクラスなので、毎回できることは限られてきます。

なので、「気長に、細く長く続けて、気付いたら上手くなってた!」ってのを生徒さんには目指して頂きたいと思います。

既に決まった2人は、将来性もありそうな感じがするので、このクラスの方に対しては、私も焦らずに、じっくり育てていきたいと思っています。

 

このクラスは、一応、来年の発表会(2月18日)までを目途に開講します。

発表会で、ブレリアとセビジャーナスで参加を目標とします。

その後、このクラスを継続するかどうかは、またその頃になって、生徒さんたちの上達具合を見て、生徒さんたちと相談して決めていきます。

 

まだまだ十分に空きがありますので、興味のある方は是非お問い合わせ下さい。

info@miemoriyama.jp

森山みえ

 

既存の生徒さんにおかれましては、振替も可能です。

「レッスンに来る頻度を上げれば上達も早くなるけど、振付が違うクラスをいくつも受講しても覚えられないし・・・」

という方にも、このクラスはお勧めです。

振付に追われず、テクニカの練習と思って受講できます。

単発受講も可能です。

1ヶ月8000円のクラスですが、単発受講の場合、1回2500円になります。

ちょっとヤル気になった時にでも、是非受けてみてね。

 

火曜昼クラスでは、随分と振りが進んだ後に、このクラスの元からいた生徒よりもフラメンコ歴の浅い方が入ってきました。

当然ながら、すぐには振りは覚えられない。

皆が踊ってる横で、まごまごしてることも多かった。

皆にとっては復習だったり、リンピアールだったりでレッスンしていることも、彼女にとっては初見のパソなので、そりゃ大変。

 

さて、私のお休みの期間、このクラスも皆で集まって自主練をしていたようです。

お休み明け、様子を見ていたら、その方、振りを覚えていました。

「よく頑張ったね」と伝えたら、

「皆さんが教えてくれました」とほんわかと言っていました。

 

もちろん、本人が一番良く頑張った。

フラメンコを始めてキャリアも浅いので、理解できても、すぐには身体が動かないこともある。

けど、習ったことを翌週には忘れないでやってきていた。

「お家でちゃんと復習しているんだな~。偉いな~」

って思っていました。

 

そして、周囲の人が、心配して、心を砕き、よくフォローしたと思います。

このクラスの生徒さんは、共感力が高い人が多いのよね。

共感力、それは、相手の心の痛みが分かる力。

 

もし自分が、既に振りが進んでるクラスに入ったとしたら・・・・。

もし自分が、自分以外のクラスメイト全員が既に知り合いで、できあがった雰囲気の中に一人で入って行ったとしたら・・・。

もし自分が、自分よりもキャリアのある人たちのクラスに入ったとしたら・・・。

 

想像にたやすい。

ついていけるのか、不安でしょう。

できないことも多くて、悲しくなるでしょう。

知り合いがいなくて、寂しいでしょう。

 

この想像にたやすいことを想像できない人もいる。

想像できるけど、想像しない人もいる。

想像できるけど、だからと言って、相手の立場になって手を差し伸べない人もいる。

 

けれども、このクラスの人たちは、想像し、相手の立場になって手を差し伸べてくれた。

先生だけじゃどうにもフォローできないところもあって、そういう痒いところにまで手が届く感じで、フォローしてくれました。

どうもありがとうね。

優しい人が多くて、嬉しいです。

 

誰かに優しくする習慣のついたクラスなら、自分が困ってる時も優しくしてもらえます。

いい意味でも因果応報です。

 

皆、仕事や家事、子育てに忙しくて、焦燥する毎日です。

そんな中、お稽古に癒しだとか、充実だとか、リフレッシュだとか、友達と仲良くすることとか、要は楽しいことを求めてやってきます。

 

自分よりも先生に気に入られている人がいるとムカつくから、

自分よりも上手い人がいるとムカつくから、

自分よりも綺麗な人がいるとムカつくから、

自分よりも若い子がいるとムカつくから、

自分よりも女として勝ち組にいる人がいるとムカつくから、

だから、陰で悪口言ってその人を陥れ、孤立させ、皆で無視する。

 

そんなこと、どこのお稽古場でもあります。

私もやられたことあるし、そうされてる人を何人も見たことあるし、そういう目にあったと話す知り合いも何人もいます。

けど、そんな想いをしたくて、お稽古に通ってるんじゃない。

楽しく踊りたくて通っている。

なのに、こんなことをする人たちが世の中にいるってのが不思議。

嫌いな人なら、挨拶だけして放っておけよ。

そんな意地悪をして、相手を傷つけ、泣かせる為にお稽古を始めたんじゃないでしょ。

 

もし、楽しみたくて行ってるお稽古で、こんな目に遭ったら、さっさと辞めたらいい。

我慢してると益々エスカレートしてくる。

大人しくしてると益々エスカレートしてくる。

泣いてるだけだと益々エスカレートしてくる。

もし、その先生のことを慕っていて、どうしてもその先生から離れたくないなら、せめてクラスを替える。

そうでもして、ちゃんと自分を守って欲しい。

礼儀知らずを先生に戒められ、厳しく躾けられる時に苦い想いをするのと、訳分からずクラスメイトからいじめられて嫌な想いするのとでは、全然違うでしょ。

これは踏ん張るところじゃないよ。

 

私は先生の立場というのを経験しているので分かる。

先生が、

「こういう意地悪な生徒は嫌いです。

そういう意地悪をする人には出ていってもらいます」

という毅然とした態度を取っていて、

本当に、腹黒の方の生徒を追い出し、気の弱い位優しい生徒を守っていたら、

腹黒の生徒でも、その先生のお膝元では、大っぴらに意地悪はしなくなる。

せめて、先生の目の光るところでは良い人の振りをし続ける。

皆と仲良しの振りをする。

 

その逆で、

「経営的に厳しいから、どんな意地の悪い生徒でも受講料を払って通ってきてくれているならば助かる。

厳しく言って辞められたら困るから、私は気付かない振りして、関わらないようにしよう」

って態度だと、生徒はちゃんとそういうのを見抜くから、教室は荒れる。

生徒の態度は先生次第だったりする。

 

私は甘ちゃんなところがあって、性善説みたいなのを信じる方で、最初の頃は、他の生徒に意地悪をするような人にも毅然とした態度を取れずにいました。てか、知らずにいました。

気付かなかったし、気付こうと目を開いていなかった。

けど、今は違う。

ダメなものはダメだと分かった。

一人でもそういう人がいると、空気が悪くなる。

一人だけ除け者にされとか、話しかけても無視されたとか、ロッカーで泣いてた子がいたとか聞いたら、胸が苦しくなる。

 

生徒は私には良い顔します。

良い人も、悪い人も、良い顔します。

良い人は、他の生徒にも良い顔します。

けれども、悪い人は、他の生徒の前で、必ずしも良い顔をしません。

気の強そうな人の前では良い顔をします。

意地悪したら反撃しそうな人の前では良い顔をします。

先生に気に入られているとか、教室で立場が強そうな人の前では良い顔をします。

一方で、大人しそうで、イジメても反撃しなそうで、ましてや自分をイジメ返すような腐ったことをしなそうな、優しい人に対しては、悪い顔を見せます。

 

私は、私の前で良い顔を見せ、良い人だなって思う人であっても、教室の生徒全員に対して良い人なのかどうか、疑う目を持つことは必要なんだと学んだ。

そうじゃなきゃ、本当に踊りを習いたくて、一生懸命に頑張ろうとしている人が、踊りに集中できないこともあり得る。

 

でも、基本的には生徒さんを信じてます。

皆、良い人だと思ってます。

そして、火曜昼クラスのように、後から入って遅れを取っていた生徒さんが、周囲の協力もあって振付に追い付いたって事実を見ると、本当に優しくしてもらってるんだなって確信を得ます。

 

春になると、また新しい人がポツポツと増えるかもしれません。

ちゃんと、目を光らせていようと思っています。

私のところを出て行ってしまったらもう何もしてあげれませんが、せめて私のところにいるうちは何とかしたいと思います。

一人が好きな人もいるし、友達を作りに来てる訳じゃないって人もいるので、

「皆で仲良くしましょう♪」

なんてことは言いませんが、

スタジオが居心地よく感じられ、お稽古に集中する為にも、程々に仲良くしていきましょうね。

フェスティバル4日目のビジャマルタ劇場は、パトリシア・ゲレーロの公演でした。

 

パトリシアは、若い女性の踊り手ならではの可憐さと、どきっとするような色気があって、私の好きな踊り手です。

身体能力もものすごく高くて、身体も良く動きます。

私は、どのエスティーロだとか、身体が動く動かない、男性、女性、年齢など関係なしに、舞台の上で、ものすごい集中力を発揮する踊り手が好きです。

そういう観点で、初日のラファエル・エステベスには強く惹かれました。

群舞で踊ってる時、彼だけ、ものすごい集中力を発揮してるのが見て取れ、他の人との差をすごく感じました。

その集中力に惹きこまれる。

気が散っている人の踊りは見たら分かる。

「上手く踊らなきゃ」とか、「失敗したら笑われる」とか考えながら踊ってるんだろうなってのは分かります。

逆に、一杯いっぱいになってしまって、もう別の世界に逝っちゃってるのも一目瞭然。

それは集中してるのとは、ちと違う。

どのジャンルのダンスだろうと、オペラだったり、芝居だったり、何であれ、舞台に上がる人に必要なのはテクニックだけじゃなく集中力だと思う。

かく言う私だって、余計なことに気を取られず、踊りに集中し、神経を研ぎ澄ませるってのは難しい。

だから、そこを養いたいし、舞台の上の人の集中する姿を見て、その姿勢から学びたいと思ってます。

パトリシアの踊りには、やっぱり、他の人よりも集中力を感じる。

パトリシアだけじゃなく、冠公演をする人たちには、並外れた集中力がある。

 

それにしても、へレス・フェスティバル・・・・どんな公演内容なのかを把握しないで日程を組んでいるのでしょうか????

前日のモネタは、聖女テレサをモチーフとした作品だったので、当然ながらキリスト教とか教会の雰囲気が作品内にありました。

なんと、この日のパトリシアの作品も教会関係。。。。

その上、同じように静かな中で延々とサパテアードで始まる・・・。

テーマも、作品の作りも被り過ぎでしょって思っちゃいました。

スペインは敬虔なカトリックの国なので、キリスト教絡みの作品が多いのは仕方ないとしても、同じような年頃の女の人の似たような作品を、二日続けてぶつけてこなくったって、前期と後期に分けるとかできたでしょうに。。

 

衣装は、3着重ね着していたようで、舞台の上で一枚一枚脱いでいきます。

女性の解放、自由への渇望についてがモチーフだそうで、服を脱いでいくのは、抑圧されている女性の解放をイメージしているようです。

それは良く伝わりました。

パトリシアが、重い衣装を脱ぎ、ドンドン身軽になって行く様は、正に女性の解放でした。

そして、彼女は情感というものを踊りで表すのが上手い!

 

ただ、彼女がフラメンコを踊った印象がない。

群舞でちょこっとシギリージャを踊ったり、タンゴを踊ってたのは、なーーーんとなく記憶にあるのですが、あまり印象に残っていません。

代りに、男性2人が歌う賛美歌?聖歌?に合わせて踊ってた印象は残っています。

モネタの作品よりはしっかりした作りになっていたし、楽しめたのですが、最後の最後までフラメンコを踊った印象が残らなかったので、消化不良。

だったら、最後にガツンとソレアを踊ったモネタの方が印象に残る。

 

それと、パトリシアは、男性を踊りの上でアクセサリーとして使うのが上手い踊り手だと思う。

それは彼女の強みだ。

兎に角、この人には色気がある。

だから、男性と踊るのを見たかった。

けど今回は、女性とのパレハや群舞はあったけど、男性は出てこなかった。

「いやいや、彼女の強みからしたら、女同士のパレハじゃないだろ」って突っ込みを入れたくなりました。

前日のモネタにしても、この日のパトリシアにしても、すごくすごい踊り手なのですが、その人たちの強みを発揮できる作品を創るというのは、かくも難しいものなのかと思いました。

 

いい作品なんだけど、スカッとしない、ちょっと消化不良な公演でした。

へレス・フェスティバルの3日目は、日本でも人気の高いラ・モネタでした。

 

モネタは、フラメンコを踊らせたらものすごくすごい踊り手です。

身体も良く動くし、フラメンコの醍醐味である野性的な動きも決まります。

けど、テアトロ作品ってのは、タブラオのように一曲丸々フラメンコを踊らないことが多々あります。

フラメンコのテクニカを使い、何かを表現する。

音楽がフラメンコじゃないこともあるし、無伴奏でサパテアードの音だけが響き渡ることもあるし、パントマイムのようなこともある。

だから、モネタにとっては、テアトロはアウェイなんじゃないかと思ったりもするけど、彼女は負けずと作品を創り続けている。

けど、タブラオでのモネタを超えるテアトロ作品に中々巡り合えません。

それでも挑み続けるのは、タブラオで終わるのが嫌なんだろうな~。

 

公演の最初の方だったので記憶は薄れておりますが、無伴奏でサパテアードの音がカタコトカタコトってので始まりました。

そして、それが長かった気がします。

日本で、年に2本見れたら有難いって位のスペイン人の公演で、これを見たとしたら、

「おおお!さすがモネタ!足音綺麗!すごい!」

って思ったかもしれません。

けど、へレスのフラメンコ・フェスティバルは、2週間、連日連夜、あちらこちらで公演を上演している為、優れた踊り手が次から次に出てきます。

運悪く、前日のビジャマルタ公演はカナーレスとグリロが踊った後だったので、あまりサパテアードに持ち味を持ってこれませんでした。

でもいいのです。

カナーレスとグリロは男性、モネタは女性。

女性には、男性のサパテアードに匹敵する別の魅力がある。

 

それと、何やら台詞を喋っていました。

というのも、この公演のテーマは、『聖女テレサ』だったそうで、テレサの詩を朗読していたみたいです。

聖女テレサというのは、スペイン人なら誰でも知ってるような偉人だそうですが、日本人の私には馴染みがありませんでした。

日本人なら、信長・秀吉・家康は、名前を聞いただけでもイメージが湧いてきます。

けど、外国人だと????です。

そんな感じです。

詩の朗読とか、台詞を話すとか、独白みたいのがスペインで流行りなのでしょうか。

この後、女性舞踊主の公演がいくつかありましたが、何人かがやってました。

舞台上の台詞、それも詩を聞き取れる程のスペイン語力がないので、何を言わんとするのかは分かりませんでしたが、分からないから故でしょうか、表現力の差は見て取れました。

話してる内容が分からないのに、何かを伝えようとしているのがこちらに伝わってくる人、そうでなくて、ただ喋ってるだけの人。

その差は出ました。

それは情感の差じゃなかろうか。

 

フラメンコは、誰かを演じることなく、その人自身を踊ります。

生身の自分をさらけ出し、表現とします。

けれども、こういうオブラ作品では、別の人になってキャラクターを演じることがあります。

そのキャラクターの想いや情感を自分の中に探し出し、それを表に出していきます。

 

モネタはまだ若いし、これからの人なので先の可能性まで否定できないですが、この公演を観た限りでは、彼女はキャラクターになって演じるよりも、彼女自身で踊ってる方が似合ってるような気がしました。

キャラクターになることによって、自分を解放できる人もいれば、キャラクターの縛りがあることで、自分を解放できなくなる人もいる。

モネタは後者な気がしました。

 

前述の通り、男性には男性の、女性には女性の持ち味があると思っています。

フラメンコの場合、男性はやっぱりサパテアード。するどい動き。勇ましさ。

それらは男性の方に軍配があがります。

じゃあ、女性は?って考えた時、私は情感じゃないかと思っています。

男の人でグチグチしてる人のことを、『女の腐ったの』って言います。

それ位、女の人はグチグチしているっていう表れでしょう。

私はそれを否定しません。

女の人の方が、グチグチしてると思います。

感情的だし、感情が尾を引くし。

けれども、グチグチする程の感情は、感情の豊かさの表れでもあります。

深みにもなります。

舞台のいいところは、負の感情も芸術として昇華し、人前に出せるところです。

女性は、己の中にグチグチしたものがあるからこそ、その部分を舞台で昇華することによって情感豊かな踊りと変えている。

女ほどにはグチグチしていない男には、そこまでの情感は表せない。

もちろん、個人差はあります。

女性でもカラっとしてる人もいるし、男性でもグチグチしてる人もいます。

モネタはあまりグチグチした感じが踊りに出ません。

「この人、いい人なんだろうなぁ」って思ったりします。そんな踊りしてます。

男性のような激しい踊りは合っているのですが、女性ならではの、しっとりと、けど粘り付くような情感は、やや薄い気がします。

ちょっとあっけらかんとして見えます。

そこが物足りなく感じます。

この人が本当にグチグチしていないのか、もしくは、自分の中のグチグチした部分を否定し、見ないようにしているから表に出せないのか。

でも、生物学的にでも女である以上、普通の男性以上にはグチグチしていると思うのですが・・・。

ましてや、彼女、子供を産んだみたいだし。

多分、彼女がテアトロでこういう作品を創り続けるのは、男性のようなサパテアードで踊るフラメンコではなく、情感豊かな女性らしいフラメンコに対する憧れが彼女の中にあるから。

まだまだ、若いので、これからの踊り手です。

肌にまとわりつくようなモネタの情感をいつか見てみたいです。

 

さて、この公演のラストにソレアを踊ったのですが、これはすごく良かった。

聖女テレサではなく、モネタになってた。

スカッとしました。

オブラ作品は、1時間半~2時間の間、延々とフラメンコが出てこないことがあって、フラメンコファンをじらします。

だから、最後までフラメンコが出てこないで終わると消化不良を起こした気になります。

モネタのは、最後の最後で、ガッツリとフラメンコであるソレアを踊ってくれたので良かった。

「ああ、やっぱ、モネタ、いいじゃん!」って思わせてくれた。

けど、動画には載ってない。

何故じゃ????

 

ラストには、衣装の胸のところを両手で引きちぎって、「がおーーー」って感じのことをやってた。

聖女テレサじゃなくてドミンゴじゃんか(笑)。

天晴!!!