プランタ→タコンとルルベ

(01)諸々

「速いのできない( ;∀;) 足が動かない」
とサパテアードをやってると泣けてくるは多々ある筈。

でも、どの速いパソも均一にできないかと言うとそうでもなくて、速くてできな
いのは『ドブレ』であることが多い。

よくあるのは、プランタ→タコン→ドブレというパソ。
ブレリアの抜けるところ等によく使われる。
プランタの代わりに、ゴルペになると、ゴルペ→タコン→ドブレという、セビジャーナスの3番で出てくるパソになります。
初心者が習う筈のセビジャーナスなのに、何気にこのパソが難しい。

じゃあ、なんでドブレができないのか。

それは、脚力が足りないというより、お尻が重いから。
速い足をやる時に、お尻が下に落ちてしまうから、ドブレの足がつっかえちゃう。

じゃあ、なんでお尻が落ちちゃうのかというと、二度同じこと言いますが、脚力が弱いのではなく、引き上げるお腹の筋力が弱いから。

生徒を見ていると、速い足になってきて足が動かなくなる人は、大抵お尻が落ちてくる。

で、お尻が落ちるきっかけになるパソは、実はドブレじゃなく、フラメンコの基本の『プランタ→タコン』。

プランタで上から足を振り上げる時に落ちる人はほぼいないのですが、タコンで床を打つ時に一緒にお尻が落ちる人はものすごく多い。
なので、その後にドブレが来ると、そりゃ足が動かないのは当然。

じゃあ、何でタコンで落ちるのか。

それは、ちゃんとプランタに乗れていないから。
プランタは、ちゃんと爪先のところに重心が来ないとなりません。
プランタ→タコンのタコンでお尻が落ちる人の多くはプランタにちゃんと乗れていません。

なので、
「ルルベしてごらんなさい」
とルルベをさせると、右の図のようになります。
「タコンを上げて!」
と言っても、その人からすると床から踵が上がってさえすればいいと思うのか、右の図から1ミリも上げようという気配が感じられません。

ちがいます。
ルルベは踵を限界まで上げて、ちゃんと爪先に体重を乗せるんです。
これがプランタの重心。

じゃあ、なんでルルベができないか。

これも、脚力じゃないと思う。
多少は関係あるかもしれないけど、それよりも、やっぱり腹筋、体幹。
これが弱いと身体を引き上げられない。
引き上げられないから、踵を上げれないし、上げた様態で身体をキープできない。

こういうのは日々の積み重ねなので、どこでも歩く時には常に、踵に思いっきり体重を預けるのではなく、爪先に重心を持ってくるようにして歩く訓練をしたらいいかと思います。
それと、家ではルルベして歩く訓練も。
キッチンからトイレに移動だとか、洗面所からリビングに移動だとか、そういうほんのちょっとした時にやる。
わざわざやろうとすると大変だから、日常の中に取り込む。

そうしたら、プランタ→タコンでお尻が落ちなくなってくるのではないかと。
そうしたら、ドブレの足が動きいやすくなるかと。

とりあえずやってみたらいい。
損はしないし、無駄にもならない。


ある日、目が覚めたら突如身体が動くようなるってことはない。
むしろ、日々身体は衰える。
だからやるしかない。

プランタ→タコンも、ただ闇雲にやったって意味がない。
間違ったやり方で100回やれば悪い癖がつく。
正しいやり方なら10回でもできるようになるかもしれない。

タコンを高く上げること。
そのタコンを上げることすらままならないとしたら、ルルベ!
ルルベから取り組むしかない。

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