Do(hacer)/BE(estar)

(01)諸々

DO(ドゥ)。
「~をする。」という意味。

BE(ビィ)。
「~の状態にある」という意味。

DO (Hacer) ~する

フラメンコの踊りのレッスンの内容というと、多くの場合、『Do』となることをやります。

ブラッソのテクニカをする
マノの回し方を習う/練習する
サパテアードの基礎練をする
ブエルタのテクニカをする
振付を習う/覚える
等々

全て、何をするかがはっきり分かる、正にDOですね。

BE (Estar) ~いる。ある。

英語だと、BE動詞というのは2つの意味が混在しています。

1つ目は、例えば「私は〇〇です」に使われます。
もう1つは、「私は○○に居ます」「私は〇〇の状態にあります」という意味に使われます。
英語だけしか習ったことがないとちょっと分かりにくい概念なのですが、ラテン語系の語学を習ったことのある人だとすぐにピンとくる違いです。

スペイン語はBE動詞が2つに分かれています。
SerとEstarです。
Serは、「私は先生です。あなたは生徒です」「彼女は女の子です。彼は男の子です」という方に使われます。
Estarは、「私は緊張しています」「彼はスペインにいます」というように状態を表します。
この違いが分かり難いと言われていますが、そうかな?逆に英語の方が混在してて分かり難い気がします。
だって、日本語だって分かれてるから。

私が生徒さんにフラメンコの踊りを教えていて思うのは、DOはもちろん大事だけど、BEもすごく大事だということです。
英語だとBEの意味が二つあってややこしいので、ここからスペイン語に変えます。
Be=Estarです。

Estarに関しては生徒任せで、レッスンで敢えてやらないことが多いように思います。
というか、生徒が自発的に自然にやるものなのかもしれません。

どういうことか、もう少し詳しく説明すると、

「緊張している」
「リラックスしている」
「音楽を感じている」
「伸びやか」
「楽しそう」
「萎縮している」
「自信なさそう」
「集中している」
「気が散ってる」
「落ち着いている」
「そわそわしている」
「表現している」
「雰囲気がある」
「オーラがある」
(以下、もって生まれた特徴ではなく、その時の状態を表す)
「美しい」
「可愛い」
「カッコいい」
「がさつ」
「地味」
「質素」
「クール」
「感情豊か」

これらがEstarの例です。

日本にいる、日本文化にどっぷりの我々に関して言えば、とっても真面目にHacerに取り組むことは超得意。
算数でドリルを解いたり、漢字や英単語、歴史の年号を丸暗記するのは、正にDOの教育。
(※日本文化にいる我々=日本国籍を持った人に限定してません。日本文化の中で育った外国籍の方々もです)
「先生、〇〇しろって課題をください。課題をくださったら、頑張ってそれを何百回でも反復練習してきます!」
という感じ。

でも、

『レッスンでフラメンコを習う』

というのが目的の場合は、Hacerのことだけやってればいいと思いますが、

『レッスンで習ったフラメンコを舞台で踊る』

というのを目的とした場合、Hacerだけじゃ足りないように思います。

なぜなら、舞台で踊るにはHacerはもちろん大事ですが、Estarもすごく大事だからです。

正確に踊ることが目的ですか?

振付は完璧に覚えた。
それを正確に踊れる。
先生のOKが出るレベルのテクニカレベルにも到達している。

でも、正確に踊ることに一生懸命で、表情も乏しく鉄仮面。
振付の意味も分からず、ただ、最初から最後まで通して踊っただけ。
フラメンコの歌と共にレマタールをし、抜けたところでオレーともらう喜びを感じることもなく、ただ振付をなぞるだけ。

あなたがレッスンで振付を習い、テクニカを磨き、舞台に立つことになった目的は、こういう踊りを舞台で踊る為ですか?

振付は少し間違えちゃった。
予定してた振付を踊らず、違ったものになちゃった。
でも、音楽と共にある喜びを感じられた。
自分の中の熱い想いを感じられた。
感動で魂が奮えた。
思いの丈を踊りに込めて、アウトプットできた。
その時の自分が美しいと感じる世界を表現しようとトライできた。
あーーー、爽快!
楽しかった!!!!!!
フラメンコ最高!!!!!!!

私は、こういう感覚を味わう為に、レッスンで振付を習い、テクニカを磨き、舞台に立ってます。
(これだけじゃないけど)

というか、これ、人生そのものよね。

やっぱり、フラメンコって人生そのものだわね。

私たちは、心が躍るような感動をしたくて、この世に生まれてきました。
私たちは、魂が奮えるような感動をしたくて、この世に生まれてきました。

その手段の一つがフラメンコを踊ることです。


踊りを習っている段階では、Hacerを頑張って習得するのは大事だけど、同じくらいEstarに意識を向けるのは大事だと思います。
Hacerはね、意識しないでも、普通に自然に皆やってるから、むしろ注意して意識を向けるのはEstarの方かもしれないですね。

あなたはどんな状態で舞台に立ちたいですか?

あなたはどんな状態で踊りたいですか?

あなたはどんな状態でお客さんの前に出て行きたいですか?

今までこれらのことをイメージすることなく踊ってた方々は、まずはそれをイメージし、そのイメージに近づく為に自分の内側を見つめ、イメージした状態で踊り始めてください。
DOをいくらやっても越えられなかった壁を越えられるかもしれないですよ。

4月、6月と教室関連の舞台が続きます。
生徒の皆さん、是非是非、ご自分の理想のEstarに向けて、取り組んでみてください。

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