舞踊団公演 役者さんたちとコラボ

(03)舞踊団公演

フラメンコの舞台でも、ストーリーがあるのは珍しくないですが、

今回の舞台の珍しいところは、お芝居とのコラボで、

役者さんたちが台詞を話し、演技をするところです。

 

発表会を開催すると、

フラメンコを知らないお客さんがいっぱいいらっしゃいます。

その中で、割と頻繁に多く聞こえてきた感想が、

「スペイン語の歌だから曲の意味が良く分からなかった。

でも、苦しそうに踊ってたり、歌っていたから、苦しい曲なのかな」

とか、

「明るい曲調だったから明るい曲なのかなって想像はできたけど、

歌詞はどういう意味なの?」

というものでした。

 

だったら、

「ストーリーがある舞台にして、

曲と曲の合間に役者さんたちに台詞を話してもらって、流れを作ってもらい、

その後で踊れば、その曲のイメージがより分かり易くなるんじゃないかな」

と考え、役者さんたちに入って頂く舞台を作ろうと考えました。

 

以前にも同じような舞台を上演したことがあるのですが、

その時は、演技できる生徒さんたちに役者を頼みました。

ただ、

「バイレ・フラメンコを習いに教室に通って来ているのだから、

芝居よりは踊りを頑張りたい」

「踊りに集中したい」

という意見があったので、

「そりゃ、ごもっともだ」

と思い、

「じゃあ、芝居は芝居の人に頼もう!」

と思ったのでした。

 

でも、私には役者の知り合いがいない。

「誰か役者さんの知り合いがいて、紹介してくれないかなぁ」

と探していました。

その間に入ってくれる人も誰でもいい訳じゃないです。

舞台を企画する際、一番困るのは、出演者に途中で投げ出されることです。

上手くできないから、嫌になったから、

それで適当な言い訳をして投げ出す人が世の中には存在する。

「この人、途中で投げ出すんじゃないかしら」

と思わせるリスクのある人を舞台に上げることは、企画者にとってストレスになります。

上手いか下手か以前に、

「この人なら最後までやり遂げてくれる」

って信頼できる人じゃなきゃ出演を依頼できない。

舞台に限らず、仕事って何でもそうですね。

でも、私は役者さんたちのことを知らない。

役者さんたちがいい加減な人たちだったら、舞台の途中で投げ出されてしまいます。

だとしたら、間に入って下さる方が信頼できる人でないとならない。

それで、何人かの信頼できそうな人たちに、

「〇〇なことをやりたいんだけど、役者さんの知り合いいない?」

って尋ねて回りました。

そうしたら、意外といるもんですね。

数人の人がいました。

その中に、森弘子さんがいました。

弘子さんはフラメンコ愛のある方だし、いい加減な人には見えないし、

「弘子さんの知り合いならいいかも」

って思い、紹介して頂きました。

それで知り合ったのが、大畑ゆかりさんでした。

ゆかりさんは、元劇団四季で、今はご自身の劇団を主宰しているという肩書を持ち、

「すんごい人を紹介されちゃった・・・」

ってびっくりしました。

それで、弘子さん立ち合いの元ゆかりさんと会い、

私のやりたいことを説明し、賛同して頂き、

ゆかりさんの劇団員の方々も一緒にご出演頂くことが決まりました。

 

1月に入ってから、初の通し稽古をしました。

この時は踊りとお芝居がどう絡むのかを手探りで行いました。

そしたら、生徒たち、目が点。

びっくり仰天。

いやはや、プロは違った。

「今日はまだ初回なので、台本を見ながら軽く読みますね」

とゆかりさん言ってたのに、すごく本格的で、

「うわぁぁ、すげーーー」

と感激する生徒たちや、

「あたしたち、ヤバい・・・。できるのかな(;・∀・)でも、やるしかない」

と焦る生徒たちがいました。

いずれにせよ、生徒たちにとって、すごい刺激になったようです。

「振りを覚え、ただ踊るだけじゃダメなんだ。

ちゃんと表現しなきゃならないんだって思った」

って言ってました。

今回、上手く表現できるかどうかは、明日の幕が上がってみないと分かりません。

本番じゃなきゃ出せない力もあるから。

でも、生徒たちにとって、これが今後の糧になったのは間違いないと思いました。

私にとっても糧になった。

踊りは、ただテクニカだけを披露するものじゃない。

ただ難しい振りを、「どうですか?」とお見せするものじゃない。

そこに心がないと。

役者さんたちは台詞を読み、表現する。

与えられた台詞をただ棒読みしただけじゃ表現したことにならない。

私たちは振付を踊り、表現する。

与えられた振付をただ追いかけるだけじゃ表現したことにならない。

役者さんたちがお芝居をする姿を見て、生徒たちはそれに気づいたようです。

芸術というのは、それ一つだけをずっとやってても感性が磨かれない。

バイレ・フラメンコだからと言って、スタジオに籠って練習してるだけじゃ足りない。

色々なものに触れないとね。

 

 

4回程しか一緒のお稽古をしていないのですが、

段々と役者さんたちに親しみがわいてきました。

まだほとんど初対面のような者同士ですが、

良い舞台を作りたいという志の元、

心を一つにして、明日は舞台に臨みます。

 

そうそう、

歌も、ギターも、踊りもやる白鳥さんが、

歌も歌わず、ギターも弾かず、踊りも踊らず、芝居します笑い泣き

ストーリーテラーの重要な役どころです。

頑張れ、スワン!

 

当日券が6枚程あります。

1人でも多くの方に見て頂きたいので、お時間の許す方は是非いらして下さい。

 

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