ニンジンをみじん切りにしてハンバーグに混ぜる戦法

(01)諸々

この日のソレア・ポル・ブレリアのクラスは、3人の生徒さんがお休みだったため、出席は2人だけでした。

エンサージョの翌日だったこともあり、前日の疲れが残ってたようだったので、いっぱい踊る楽しさではなく、一つのことを深く追求する楽しさを味わう内容にしてみました。

ということで、1歌のリンピアール。

1歌と言っても、サリーダの代わりに歌ってもらう歌なので、動きは最小限。
「手を上げ下げするだけ」「振りむくだけ」「歩くだけ」という『シンプルなパソを味わい深く』の究極。

ただ、料理と一緒で、シンプルな料理は素材の味がモロ出ます。
ということは、素材命。

「振り向くだけ」という動作は、実は軸がしっかりしてないとできません。
1回転どうころか半回転もしていませんが、これ、ブエルタと同じような身体の使い方をします。
爪先に乗る、踵を動かす、腰を使う、ブラッソを使う、全身を捻る、首を付ける、目線を決める、首・上体・下半身を少しずつずらして動かす、そして、しっかり止まる。
正にブエルタのテクニカ力を必要とします。

ただ振り向くだけなら、誰でもできる。
踊りをやってない人でもできる。
でも、踊りとして振り向くとなると、ブエルタのテクニカが必要となるんですね。

生徒さんをいい意味で騙すのは先生の仕事。

「ブエルタのテクニカをやりましょう!」ってだけだと、「テクニカより、振付を踊ってる方が楽しい!」ってなる生徒さんもいます。
でも、散々振付を踊る楽しさを味わった後には、そんな生徒さんでも「この振付をもう少し上手に踊りたい」と欲が出てきます。
生徒さんに上達意欲が芽生えたら、こっちのもの。
その振付のリンピアールをしながらブエルタのテクニカを織り込んでいけばいい。

ニンジンを食べない幼き我が子に、どんなにニンジンが栄養あると説いても無駄。
ハンバーグに添えて、ニンジンの塊を出しても食べてもらえない。
だから、お母さんは、我が子が大好きなハンバーグにみじん切りにしたニンジンを混ぜ混ぜしちゃう!

ハンバーグ=振付、ニンジン=テクニカ

です。

私は振付のリンピアールをしながらテクニカのレッスンを生徒にします。
いい意味で生徒を騙しながら、必要なことを学んで行ってもらいます。

「楽しければ続く、続けていれば上手くなる」というのは、こういうことの裏付けがあった上で言っているのでした。

ニンジンはみじん切りにして、ハンバーグに混ぜる戦法です。
美味しくニンジンを召し上がれ(^^)/♪

そして踊りというのは、音楽があって、衣装があって、化粧もあって、照明もあって、舞台があって、お客様にお見せする総合芸術。
更には、フラメンコであるからにはコンパス感は大事だし、アセンチュアルも大事。

テクニカ力はあるに越したことないけど、それだけでもない。
ハンバーグで言うならば、焼き加減とでも申しましょうか。

踊りって面白い。
フラメンコって面白い。
技を競う競技でもないし、健康の為のエクササイズでもない。
そこが面白い。

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