野音のアレグリアス

(01)諸々

クラス伴奏に来るついでに

野音で雄輔さんと踊るアレグリアスの練習は、雄輔さんがクラス伴奏に来てくれる日に、ちょっと早めにスタジオに来てもらって一緒に練習しています。
先日は、クラス伴奏に裕菜ちゃんが来てくれたので、裕菜ちゃんに伴奏してもらいました。
忙しい方なので、わざわざこの為に時間を作ってもらうのは申し訳ない。
なので、クラス伴奏のついでに野音のエンサージョもお願いしています。

振付への私の想い

振付とフォーメーションは事前に私の方で作っておいて、その後で雄輔さんに振り移ししました。

とは言っても、去年の10月に踊ったソレアのパソをできるだけ使って振りを作りました。
そのソレアは雄輔さんの振りでした。
なので、私から雄輔さんに振り移ししたのは1つのジャマーダと1つのレマーテだけかな。
あとは、オーソドックスな、誰でも知ってるようなパソを使った振りになってます。

なので、振り移しは1時間で終わりました。
フォーメーションもその1時間でさくっと終わりました。
さすがプロ!

シンプルなマルカールだからこそできることがある

雄輔さんと一緒に踊ることが決まり、振付をどうしようかって二人で打ち合わせをした時に、
「シンプルなマルカールを繋いだ振りにしよう」
ということになりました。
「シンプルな方が難しいからね。でも、それを味わい深く踊ろう」
みたいなことを雄輔さんも言いました。


「難しいパソを踊って、そのパソを正確に踊るのがやっとで、それすらできずコンパスを外し、それを味わうこともなく、表現することもできず、「私、正確に踊れるようになりました。どうですか。ご覧ください」というのを見せるだけの踊りというのは、それは違う。それは踊ってない。動いてるだけだ」
と、もうずっと前から、多分、教室を始めた頃から私は生徒たちに言い続けてきました。

それを踊る人にとって難し過ぎるパソ。
いわゆる、コンパスを外すパソ。
かろうじて正確に踊れるけど、正確に踊れるだけのパソ。
必死過ぎて、表現もへったくれもないパソ。

それらのパソは無用の長物。

そんなのより、その人の8割の力で余裕もって踊れるようなパソで、ゆったりとした気持ちで踊ったらいい。
そういうパソならば、余裕がある分だけそこに気持ちを込められる。
味わうことができる。
そのパソを味わい、伸び伸びと踊る様を、それを表現という。

でもね、私の力不足なんでしょうね。
最初の頃は、この持論を生徒が受け入れてくれなかったんです。
生徒たちは、ちょっと凝った難しいパソを踊ってみたかった。
それ故に、
「みえ先生のパソは普通過ぎて面白くない」
と生徒が陰で言っていたそうです。
それが私の耳に入ってきて、さすがにショックでした。
でも、仕方ないね。
私にそれを説得できるだけのものがなかったから。

難しいパソを私も習ってきているんです。
持っているんです。
だから教えて欲しいと生徒が望むなら、いくらでも教えられます。
でも、それを教え、生徒が嬉々として踊っていても、コンパスを外すような滅茶苦茶な踊りをしてたり、青色吐息のロボットのような固まった顔して、命からがら踊ってる様を見たら、
「違う。こんなの良くない。こんなのフラメンコじゃない。私は生徒にこんなことをやらせちゃダメだ」
と思うのです。

結局、そういう生徒たちは辞めていきました。
価値観の違いなので、それは仕方ないです。
その生徒たちの望む、難易度の高いパソを教えてくれる先生はいくらでもいるので、そっちに行ってしまうのも仕方ないです。
先生は生徒を選べませんが、生徒は先生を選べるので、それでいいんだと思います。

そんなこんなのことがあり、数年経った頃に、ちょっとした縁で雄輔さんにうちの教室でブレリアのクルシージョをやってもらったことがありました。
その時に雄輔さんが、「難しいことやらないで、シンプルなマルカールを味わった方がいい」みたいな感じで、私が常々思ってたことと同じことを言ったんです。
「おおおお!同じようなことを言う人がいるなんて!それも、いかにも小難しいことをやりそうな人が言うなんて!」と正直驚きました。
でも、同じ考えの人がいたので私、嬉しくって、
「でも生徒は難しいことをやりたがるのよ」
と言ってみたら、
「それはやった気になるだけ。難しいことを習うと、充実感はあるから」
と言ってました。
その言葉を聞いた時の私の喜びったらありゃしない。
言葉の通じない国で日本人に会った感じでした。
1カラットのダイヤモンドをもらうより嬉しい。
こういのをプライスレスって言うんだなって思いました。

世間の価値観に流されない改革者。闘ってるようにも見える。

去年の10月のソレアの時も、今度の野音のアレグリアスの時も、二人で踊りを仕上げていく過程において、私は気付いたことがあります。

それは、世間一般に普通に思われている価値観というか常識というのがあって、それらは何も考えず、普通に皆がやってるようなことであったりして、だから私も何も考えずにそれをやろうとした時に雄輔さんは、その一般的な価値観、常識を覆すようなことを、さらっと言ったりします。

私からすると目から鱗です。
目から鱗なのだけど、でも、極々当たり前のことだったりします。
少数派が間違ってるとは限らない。
多数決の選挙とは違う。
少数派の方がすぐれた着眼点を持ってることも往々にしてある。
なので、
「こんな当たり前のことを当たり前と思えずに、世間様が普通というようなことを何も考えずにやってたなんて、私、馬鹿だなぁ。一方の雄輔さんには信念というものがあって、流されないんだな」
と感心する私です。

世間様と同じこと、一般的な価値観、常識に添って行動する場合、何も考えないで済みます。
マニュアルのようなものです。
でも、どんなに正しいことでも、理屈の通ることでも、世間と違うことをする時、言う時、そこには見えない世間様というものと闘うことになります。

なので、「雄輔さんは改革者」と私は思うのでした。

原点回帰

難しくて、激しくて、速くて、時に荒々しく、サルバヘ(野性っぽく)で。

そんなフラメンコが巷にあふれる昨今ですが、今度、私と雄輔さんが踊るアレグリアスは、古き良き時代のフラメンコな感じがします。
正に、庸子先生の言うフラメンコに近いのではって思います。
全然、庸子先生の好みに合わせようって考えはなかったんです。
ただ、二人で作って行ったら、そっちの方向に行きました。

雄輔さんと私はタイプも全然違うし、むしろ真反対な感じなのに、行きつくところが同じってのが面白い。

二人とも同じ山の頂上を目指して山を登っているのだけど、それぞれが違うルートを登ってきてるって感じがしてます。

チケットのお問合せ

そんなこんなの野音でのアレグリアス。

どんな感じになるのか、興味を持ってくださいましたら、是非是非観にいらしてください。
チケット、まだまだございますので、ご連絡いただければ嬉しく思います。

🍀🍀🍀🍀🍀
小松原庸子スペイン舞踊団 第52回野外フェスティバル
特別企画 日西民族舞踊の祭典
「真夏の夜のフラメンコ」
7月29日(土) 開場16:00 開演17:00 終演20時頃(予定)
日比谷野外大音楽堂 雨天決行
S席:8000円、A席:7000円、B席:5000円

◆チケット申込先
info@miemoriyama.jp (森山みえ)
Tel. 080-3003-5820

メールアドレスに「公演チケット申込み」と明記の上、チケット希望者は席種およびご希望枚数、お名前、ご住所(チケット送付先)、電話番号を上記メールアドレス宛にお申し込み下さい。 
追ってこちらの指定する銀行口座にご入金していただき、入金を確認後、チケットを送付させていただきます。 
※尚、メールは稀に届かないことがあります。チケット申し込みをされた後、3日たっても返信がない場合メールが届いていない可能性がありますので、
大変お手数ですが事務局までお電話をください。
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