来年2月公演:薄幸の浅井三姉妹、秀吉に人生を狂わされる

(03)舞踊団公演

織田信長の妹にして絶世の美女と言われたお市の方には三人の娘がいました。

浅井三姉妹として有名な、茶々、お初、お江です。

三女のお江は、ちょっと前に大河ドラマの主人公にもなっていました。

三姉妹の父は信長に討たれ、母は秀吉に攻められ炎の中に消えました。

その後、三姉妹は親の仇・秀吉の養女となります。

もう、これだけで過酷な人生です。

ひん曲がった人に育ったとしても仕方ない位、悪環境です。

そして、長女の茶々は秀吉の側室となり後継ぎを生み、三女のお江は徳川家康の息子と結婚し、徳川三代将軍家光の母となります。

信長、秀吉、家康と強い関わりがあったこともあり、また美形の多い織田家の血筋ながらに美女だったこともあり、なかなか華々しく有名な三姉妹です。

 

戦国時代の姫様たちは政略結婚していくのが習わしとなっていましたが、お江は可哀相なことに養父・秀吉の政治の道具として三度も結婚させられます。

最初の結婚はまだ11歳の時でした。

それでも、政略結婚ながらにお江は夫からも愛され、幸せに暮らしていたようです。

きっかけが何であれ、相手の方と心が通じ合い、幸せだったらいいですね。

ところが、ある日秀吉の騙し討ちに合い無理やり離縁させられてしまいます。

そのやり方もひどく、茶々が病気だから見舞いに来いと秀吉から手紙が来てお江は大阪城に行くのですが、それは最初の夫から引き離す嘘で、お江は夫の元へ帰れなくなってしまいました。

今の女性は自分でお財布持って、電車に乗って、行きたいところに行けるけど、昔の女性にはその自由はなかったんですね。

愛する夫とそんなやり方で引き裂かれただけでも「秀吉、相当な悪だな」って思いますが、ほどなくして、また秀吉の政治の道具として再婚させられます。

相手は秀吉の甥っ子であり、跡取りとして養子に迎えた子でした。

長女の茶々は自分の側室にして跡取りを産ませ、三女のお江は自分の跡取り息子と結婚させ子供を産ませようという魂胆です。

秀吉はお市の方を思慕していたようですが、その想いが娘への執着と変わったようです。

秀吉、やばいですね。

 

二度目の結婚はお江が12歳の時でした。

二番目の夫とも仲は悪くなく、子宝にも恵まれ、幸せに暮らしていました。

ところが、不運なことに夫は朝鮮半島で戦死します。

そう言えば、歴史の時間に、「秀吉の朝鮮出兵」って習いました。

その時、お江が19歳。

今時の私たちからすると信じられない程に若くして苦労してしまってます。

 

そしてお江が23歳の時に、秀吉が徳川と姻戚関係を結びたいという目的で、また結婚させられます。

三度目の結婚です。

相手は家康の息子で、お江よりも6歳年下でした。

その時、お江には娘がいたのですが、娘とは引き離され、嫁がされます。

最初の夫とは生き別れ、二番目の夫とは死に別れ、三度目の結婚の時は娘と引き裂かれ、なんだか、お江はすごく可哀相な人です。

ゆくゆくは徳川三代将軍・家光の母となるので、女性としてはすごく高い地位まで上り詰めます。

けれども、「だから、それが何?」って位、お江が幸せだったとは思えない。

過酷過ぎる。

それでも、三度目の結婚でも、お江は夫に愛され、夫婦仲は良かったようです。

秀吉に運命を狂わされ、泣くことの多い人生でしたが、結婚相手からは愛されいてたのは唯一の救いです。

 

今度の舞台には、茶々のみならず、お江もお初も登場します。

お江だけでも一つの物語ができる程にドラマチックな人ですが、今回は出番はちょっとだけ。

秀吉に攻められ、母・お市の方が再婚相手の夫と共に自害した後、三姉妹は秀吉の養女に迎えられます。

そこで、三姉妹とその侍女たちは、秀吉にご挨拶がてら舞を披露します。

グワヒーラです。

その時、主人公の茶々と秀吉の忠臣・石田三成が出会い、恋に落ちる設定です。

まだ幼き次女のお初と三女のお江が、長女の茶々と三成が見つめ合ったりして恋に落ちる様を横でのぞき見し、

「きゃっ♡お姉さまったら~♪」

と浮かれる乙女たちの浮足立った、なんだか気恥ずかしい感じ、ウキウキした感じをグワヒーラで表現します。

政治の道具として無理やり結婚させられる、まだ三姉妹が幸せを夢見る頃です。

 

 

この後、三女のお江から、次に次女のお初がお嫁に出されていき、茶々は取り残されます。
その三姉妹の悲しい別れのシーンをカーニャで表現します。

グワヒーラのるんるん♪表現より難しいかもしれません。

その難しい表現を次女・お初役、三女・お江役共に、生徒が挑戦します。

大丈夫でしょうか(^^;)

今は踊ることで精一杯で、まだ役柄になってません。

うちに元芝居をなさってた生徒がいるので、その人にちょっと指導を受けながら仕上げて行こうと思ってます。

ちなみに、妹たちが嫁いだ後、秀吉の魔の手は茶々に忍び寄ります。

でも、この時には既に茶々は三成と愛し合っているのですが、秀吉は諦めません。

「秀吉の側室になんかなりたくない。三成の妻になりたい」

と茶々は抵抗しますが、結局二人は時の権力者・秀吉に逆らえず、仲を引き裂かれてしまいます。

それをシギリージャで表現します。

三成と茶々のパレハです。慟哭のシギリージャです。

 

 

楽しそうで、幸せそうで、若い娘たちのふわふわと揺れる感じはグワヒーラ、

「私の未来の夫はどんな人だろう」という不安と、姉妹とも離れ離れになる寂しさはカーニャ、

愛する男との仲を引き裂かれ、憎き親の仇である男の妻となる悔しさはシギリージャ。

 

そして、秀吉の花見として有名なシーンをアレグリアスで表現します。

秀吉は正室の寧々、側室たちに囲まれて、楽しくアレグリアスを舞います。

お初とお江は踊りませんが、『秀吉に毒を盛る係』として、ちょっとだけ登場します。

秀吉はこの花見の後に体調を崩し、半年を待たずして病死します。

秀吉の死因は諸説ありますが、この舞台では、お江とお初が秀吉を毒殺した設定になってます。

秀吉の政治の道具として扱われ、泣かされてばかりだったお江が秀吉に積年の恨みを晴らすべく、花見の席で酒にヒ素を混入させ、秀吉に飲ませる。

長女の茶々、三女のお江を想い、次女のお初もお江と共に秀吉に毒入りの酒を勧めます。

そして、秀吉はアレグリアスの後半で毒が回ってきて、倒れてしまいます。

何とか這い上がろうとしますが、その姿は見るも無残。

そんな秀吉は、前回お知らせしたようにドミンゴが演じます。

アレグリアスでは、側室たちが見事に秀吉・ドミンゴに蹴りをいれます。

女の側から秀吉を見ると、

「そりゃ、最期は女に蹴られて、踏んずけられて、野垂れ死ぬよね」

って思います。

苦しみ這いずり回る秀吉・ドミンゴをご覧になりながら、

彼に人生を狂わされ、泣いてばかりの三姉妹たちの哀しみを感じて頂ければと思います。

 

 

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どうもありがとうございます(*^-^*)

舞台を見る前にちょっと予習して来て頂くと、より楽しめるかと思います。

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森山みえ

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