綺麗に蓋をしない

(01)諸々

生徒さんがフラメンコを始めて、初めての舞台を踏む前に、

うちの教室では、メイク講習をしています。

メイク講習の後で、

うちの教室の衣装を生徒さんに着せ、

写真撮影会も行います。

綺麗で華やかなフラメンコ衣装を

初めて着る時の生徒さんの表情は、

正に、薔薇色に輝きます。

 

世の中には、人を綺麗にする職業の人、

人の美しさを引き出す職業の人がいます。

 

スタイリスト、

美容師、

カメラマン、

衣装デザイナー、

カラリスト、

ネイリスト等など、

それはそれは沢山のプロフェッショナルがいます。

 

私はフラメンコを教える先生というのが仕事です。

それを生業にしています。

でも、仕事に付随してますが、

仕事というかライフワークとして、

上述の職業の方々と同じように

生徒さんたちの美しさを引き出すということも

私のやりたいことです。

 

今年の9月の発表会では、

出演する生徒が少なかったこともあり、

スタジオで4人が集まり撮影会をし、

その写真をチラシに使いました。

モデルとなった生徒たちは良く知ってますが、

私は写真を撮る際に、

徹底的に生徒の綺麗を探しました。

写真はスマホで撮ってるし、

カメラマンとしての技術はありませんが、

私のできる範囲の中で、

生徒の綺麗をとことん探しました。

 


来年2月の発表会のチラシを作るにあたり、
出演する生徒たちに、
「9月みたいのを作りたい?」
と尋ねました。

9月の生徒たちは、
割と4人の都合つく時間帯が似ていて、
集まるのも大変ではありませんでしたが、
2月の生徒たち4人は都合良い曜日も時間帯もまちまち。
「4人揃うことが大変かな」
と思い、
とりあえず、本人たちにどうしたいか尋ねたのでした。
結果、皆でスケジュールを調整し、集まると言いました。

女の子は綺麗になりたい。
 
綺麗に着飾って、それを写真に撮って残したい。
 
理由なんてないです。
 
それが女の子だからです。

女の子の持つ特性です。

 
綺麗になれたら嬉しい。
とってもシンプル。
 

とても勝手ながら、
全人類の女性共通の想いだって
私は思ってます。
でも、綺麗になることに
恐れがある人もいることを、
私はある時に気づきました。

 

友人で、子供の頃から親に、
自分が綺麗に可愛くしようとすると、
小馬鹿にされるようなことを言われたり、
嫌な態度を取られたという人がいました。
「自分の娘が可愛くなろうと
お洒落しているのを
小馬鹿にする親が世の中にいるのかびっくり
と衝撃でした。


でも、その後、
そう言われているとそういう友達は
チラホラいました。


他にも、母が女の土俵から降りない娘。
母が産んだ娘は、ドンドン成長し、
思春期を迎え、花咲ける頃になります。
その頃に、母は、段々と花が散る頃となります。
悲しいことですが、自然の摂理です。
でも、ほとんどの母は、自分の娘が可愛いので、
花盛りの女の土俵は娘に譲ります。
それを眩しく、愛おしく見守ります。
母は母の年相応の美しさでいればいい。
それが順繰りってことです。
でも、私は知った。
花咲ける頃の娘に花散る頃の母が
嫉妬することもあるということを。
大好きな母に嫉妬される位なら、
娘は自分という花を咲かせるのを控え、
母に土俵を譲ります。
要は、綺麗に可愛くするのを怖がります。
だって、
世界で一番好きな女性に
やっかまれるのは悲しいから。

綺麗になることを怖がる女の子もいる事実。

綺麗にしようとしても、
どうせ綺麗になれないからって、
最初から挑まない女の子もいる。

あと、女の子って、可愛かったりすると、
同性からやっかまれて、
きつい態度を取られるってことがある。
だから、可愛くするのを控えめにして、
地味にして、いじめられないように防御する。
だって、嫌われたくないから。
友達がいないのに比べたら、
綺麗じゃない方がマシだから。


綺麗になることを怖がる女の子もいる事実。

でも、本当に、本当に、勝手ながら、私は、
綺麗になりたくない女の子は
一人もいないと思っています。
80になったって、90になったって、
女は女の子です。


 

私は、
「綺麗な子が好き」
と生徒に対して、公言しています。

先生と生徒も、一皮むけば、ただの女同志です。
 
綺麗な生徒が、先生に嫉妬されて、
嫌われたり、
いじわるされたり、
可愛がってもらえなかったりしたら、
生徒は悲しい。
 
だから、せっかくの綺麗な子が
綺麗さを控えめにしてしまう。
 
 
もったいない。
 
 
舞台というところは、
自分の美意識を存分に発揮するところなのに、
そこに蓋をしてしまうなんて、
もったいない。
 
私はそう思いました。
 
 
だから、公言します。
 
生徒たちに、綺麗であることに蓋をさせない為、
綺麗になろうとすることを躊躇わない為、
 
「綺麗な子が好き」
 
と公言します。



女の子は磨けば、皆、綺麗になれる。

そもそも、綺麗とか可愛いの定義なんて、
いっぱいある。

AKB系のような親しみのある可愛さから、
菜々緒や北川景子のような
近寄りがたい程の美しさまで色々。

小柄な子には小柄な魅力が、
大柄な子には大柄な魅力が、
細身の子には細身の子の魅力が、
ぽっちゃりさんには、ぽっちゃりさんの魅力がある。


それに、もって生まれた美しさなんて、
努力しなければ、
賞味期限はせいぜい35歳。

綺麗でいることには努力がいる。

生徒さんたち、今年もいっぱい綺麗を磨いてくれました。

綺麗な衣装を身に付けた時、
頬がバラ色に染まり、
明るい表情になる。

その姿は私の目を楽しませ、
心を柔らかいものにしてくれます。

色とりどりのファルダ(スカート)を履いて、
色とりどりのアバニコ(扇)を持って、
明るく可愛く踊る。

お稽古場でも、
ただ運動するんじゃないんだから、
少しでいいからお洒落しよう!


男の子じゃないんだから、
無難な黒に逃げないで、
色をまとおう!

光を味方につけよう。

背が高くて、
スタイルが良くて、
若くて、
美形じゃなきゃ
センターになれないとか、
ソロを踊れないとか、
そんなことはない。

そんな子のことだけを指して、
「綺麗な子が好き」
とはいってない。

 綺麗になることに蓋さえしなければ、
皆、少しずつ明るくなり、華やかになり、綺麗になる。

うちの教室の女子生徒は、
「皆、綺麗だよね〜」
とよく言われます。
ホントに、ホントに、よく言われます。

でも、元々の造形は、
他所と大差ないと思います。
そんな、芸能事務所じゃないんだから、世間平均と変わらない。

ただ、綺麗にすることに蓋をしないからドンドン綺麗になる生徒が多いだけです。
綺麗に蓋をしないから綺麗になって、
そうすると「綺麗だねぇ」と言ってもらえることが増えて、
益々輝きます。

生徒さんたち、来年も美しくをあることに貪欲でいようね!
だって、私たち、舞台の上の人たちだから、それも務め。


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