フォーメーションのジレンマ

(01)諸々

発表会であっても、よっぽど時間がないとか、よっぽど初心者とかでない限り、群舞にはフォーメーションを付けます。
ずっと同じ場所で皆が正面を向いて踊るのより、移動があったり、色々な動きがある方が見栄えもし、お客さんを飽きさせないからです。

でも、ここで、いつも、私はジレンマに陥る。

群舞はシンクロ。
ラインが整然と揃ってる様、動きが揃ってる様は美しい。
その美しさはとても美しくていいのだけど、ともすれば美しいだけにもなりかねない。

そして、個々の踊りの良し悪しはさて置き、フォーメーションさえあれば何とか見てくれは整えることができてしまう。
その辺の小娘が名プロデューサーの手に掛かると、一躍トップアイドルに変身できてしまうように、演出でどうにかできてしまう。

これまでは、フォーメーションの見てくれや体裁を整えることに時間をすごく費やしてきました。
それに後悔はなく、必要なことだったから、それはそれで良しとしてます。

ただ、私がやりたいのはそれじゃない。

今回、フォーメーションを付けた後の練習は生徒たちに任せてます。
私、あまり、そこはタッチしてない。
だって、それは、私でなくてもできるから。
うちの生徒たち、散々やってきたから、私がいなくても自分たちでできる。

自分たちでできることを私が心配し、手を貸すことは、彼女たちを信頼してないってこと。
「任せよう」
と思ったのでした。

その分、一つ一つのパソのリンピアールに私のレッスン時間を費やせるようになりました。
それは、ソロで踊る為の個々人の能力を引き上げる為のリンピアール。
群舞の為じゃない。
面白い。
フォーメーションの列を揃える為のレッスンより、断然面白い。

生徒たちだけでできることに私が手を貸すことは生徒の為じゃない。
私の為。
ただ、私が不安なだけ。恐怖。

ちゃんと今の生徒たちの能力を見て、
「やったらできる!」
と突き放すのは、私にとっての修行。
手を貸さない方が難しい。

でも、親は成人した子供にアレヤコレヤと口出さない方がいいように、生徒も同じ。

果報は寝て待て(*^-^*)

生徒の成長と共に成長できる先生でありたい。

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