フィン・デ・フィエスタの練習会

(01)諸々

振付、振付、パソ、パソ、パソーーーーー!!!!!

今日は通常クラスの代わりに、即興で踊るブレリアのレッスンを行いました。
ギターは尾藤大介さん、カンテは遠藤郷子さん。

10月26日の公演が終わり、ひと段落ついた土曜クラスのメンバー。
これまでうちの教室では、他の多くの教室がそうであるように、舞台が終わると新しい曲・振付に変わることが慣例となってましたが、その慣例を断捨離しました。

振付、振付、パソ、パソ、パソ。
そんなにいくつもあったって、一つ一つのクオリティが低ければ、どれも踊れない。

振付はそんなに多くなくてもいい。
パソは今あるのだけでも、もう十分。
それよりも、これまで既に習ったもののクオリティを上げていこう。

そう思い、今も尚、新しいパソを教えるのを停止中。

ブレリアのマルカール⇒フィン・デ・フィエスタのブレリア

10月公演終了後は、とりあえずテクニカをやってました。
サパテアード、ブエルタ、ブラッソ等々。

そして、ブレリアの基本的なマルカールを如何にスペイン人のように踊れるかの研究もやりました。

私が参考になるような動画を探してきて、それをレッスンで生徒たちに見せて、どういうところが見どころなのか、どういうところが見て盗むべきところなのか解説して、イメージを植え付け、踊らせてみて、分析させて、「こう踊ってみたらどう?」とアドバイスをし、生徒に思考錯誤させました。

そして次に、それらのパソを使って、自分たちで自分のブレリアの振付を作らせました。

それをレッスン内で一人ずつ踊ってもらいました。
まずは出てきて、ジャマーダするまで、次に歌振り、最後にハケを呼ぶジャマーダからハケまでと部分的に区切りながら、ちょっとずつレッスンしていきました。

生徒たちが自分で四苦八苦して作った振りですが、流れ的にはもうちょっと違った方がいいかもしれないというのもあったので、一人ずつアドバイスをし、生徒たちにそのアドバイスを元に振りを修正し、自分の振りを完成させていきました。

パルマの練習にもなります

一人ずつ振りが違うので、一斉に皆で踊るってことはできませんが、その間はパルマを打っていたのでパルマにも慣れてきました。

タブラオに踊りに出るにしても、自分の踊り以上に課題となるパルマ。

自分の踊りを自分が失敗するだけなら自己責任で悔し泣きすれば済む話ですが、自分のパルマのせいで他のバイレの踊りの足を引っ張ってしまっては、泣いて済む話ではありません。

たかがパルマじゃない。

されどパルマじゃない。

そもそもパルマは難しいんだ!

だから、レッスン内で毎週ちょっとずつ練習するんだ!

ということで、6人のクラスで1人が踊ってる時、5人の生徒はパルマを叩いてました。

やっぱり、ちょっとずつでもレッスンで毎週やるって、塵も積もれば山となるですね。
最初は音が出なかった子たちも、徐々に音が出るようになってきました。

以前、雄輔さんのパルマクラスをこの生徒たちは受けたことがあるのですが、その時に、「音が出ないのは叩き方の問題じゃなくて、リズムの捉え方の問題が要因」って指摘されました。

他の人の後ろでパルマを叩き続けることで、理屈じゃなく、何となく感覚的に分かってくるものもある。
生徒たちは、パルマを叩くことでリズムの捉え方が身に付き出したのかもしれない。
それで音の出方も変わってきたのかもしれない。
そんな風に思いました。

そして、その感覚はパルマを叩く時だけじゃなく、踊る時にも役立つ。

ブレリアの振付を作るコツ・何となくの感覚


そして、振付に関しても、他の子がもらってるアドバイスや注意を聞いていれば、
「ああ、なるほど!」
という知識がついてきて、ブレリアってどういうもんなのかが段々と分かってきます。

いきなり即興なんて無理なんです。
勘のいい人はできるかもしれませんが、普通の人には難しい。

ブレリアは即興で踊るってことになってるけど、まずは、長さを決めてでも自分で振りを作るところから始めたらいい。
それをして、
「いやいや、ブレリアの振りはこういう感じじゃなくて、こんな感じの流れがいいよ」
みたいにダメ出しをされながら、ブレリアの振付のコツとか感覚を養っていきます。

その養われた感覚があるからこそ、徐々に即興でも踊れるようになるんです。

ものには段階がある。
一合目をすっとばして、いきなり十合目を目指すことはできない。

机上の空論を実現可能なものに変える

そんなこんなで時間をかけて振付を用意してきた生徒たち。
さて、今日は実践のお時間です。

ギターもカンテもない中で作った振付は、いわば机上の空論。
それが実現可能なものかは、試してみなきゃ分からない。
それで、今日は尾藤さんと郷子さんに来てもらい、ブレリアを実践で踊る練習会をやりました。

私は生徒に、

①出てくる
②ジャマーダする
③歌振り
④ジャマーダする
⑤ハケる

という振りを作ってこさせてました。

基本形なしに、いきなり自由スタイルだと生徒は何をしたらいいか分かりません。
なので、これを基本形として振りをつくってこさせてました。
そしてその後で、状況に応じて即興的に振りを変えれるよう教えていけばいいと計画していました。

今日がその日でした!


そもそもブレリアは、

①出てきて、ジャマーダをしてから歌が来る
②出てきたら、ジャマーダしてないのに途中で歌が始まる
③出る前に歌が始まり、頃合いを見て、歌に乗るように出ていく

という3パターンがあります。

私が生徒に用意させた振付は①。

今日の合わせでは、私は郷子さんに歌の指定をしませんでした。
「色々なパターンを練習させたいので、気にせず、自然な流れで歌ってください」
とお願いしました。

当然ながら②のパターンも③のパターンもあります。

「ええええええΣ(・□・;)」
と戸惑う生徒たち。

「②の場合なら、今ある振りをここから踊ってみたら?」
「③の場合は、こう対応できるよね」

と私がアドバイスし、それを元に試す生徒たち。
そして、たまに玉砕。たまに成功。

そして、歌の長さだって、
1コンパス歌⇒1コンパスレマーテ⇒1コンパス+2コンパスx2
とは限らない。
それも、歌を聞いて即興的に基本形を伸び縮みさせて踊っていきます。

当然ながら失敗もします。

失敗上等。
私、生徒たちに失敗させる為のレッスンをしました。

だって、失敗しなきゃ覚えないから。
失敗するから後の成功があるというのを知っているから。
レッスン内で失敗しなきゃ、いつまで経ってもできるようならない。

伸び伸びと恥じることなく、子供のように気軽に失敗すればいいのです。

私、親というのは子供に無関心も良くないけど、過干渉も良くないと思ってます。
(親になったことないけど、でも子供であったことはあるから)
子供が失敗するんじゃないかと不安になり、先回りして「大丈夫なの!?」って心配する親は、子供の自信を奪います。
それに、それは子供がダメな子だから心配してるんじゃない。
単にその親が不安だから心配するフリしてその不安を子供にぶつけてるだけです。

人生は何事も、上手くいっても、失敗しても、大丈夫なようにできている。
失敗から学ぶことは沢山あるんだから、沢山失敗したらいい。
子供の失敗する権利を奪ってはいけない。

踊りは踊りの先生からのみ習うものじゃない

そして、カンテさん、ギターさんの視点でのアドバイスを、郷子さん、尾藤さんはたくさんくださいました。

「こういう出方をされると、歌いたくなっちゃう」
と郷子さんに言っていただいたりして
「ほぉーーー」
と私も知らなかったこと、気付かなかったこともあり、勉強になりました。

「こういう場合はこうしたらいんじゃない?」
ってのもたくさん教えていただきました。

色々なパターンの歌を歌っていただき、とってもスリリングでしたが、本番前にこんな練習ができて良かったと、楽しかったと生徒たちは申してました。

フラメンコの踊り手は、踊りの先生抜きでギターさん、カンテさんとのエンサージョを沢山やった方がいいと私は思ってます。

踊りの先生とは違った、でもとっても大切なことを彼らから教われます。

尾藤さんも郷子さんも、踊りのことを良く分かっていて、本当に的確に分かりやすく丁寧に指導してくださいました。
私たち、とても恵まれてますね。

ブレリアって怖いのだけど、でもやらないでいるから益々怖くなるのであって、充分に準備した後ならば、それ程怖くなくなる。
ここまで準備した自分を信じることができれば、本番も自信をもって踊れる。
上手くできても、上手くできなくても、どっちでもいい。
トライした勇気を称えよう。
そして、それを繰り返していったら、また今日とは違った気付きも得られる。
それの積み重ね。

またブレリア練習会やろうね。

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